肩関節

1st・2nd・3rdポジション|“張る場所”で制限は決まる

1st・2nd・3rd
学生・新人の時、理解に苦しみました。

・関節包?  
・靭帯?  
・筋肉?  

情報量が多すぎて整理できない。

この記事では、
関節包・靭帯・腱板
図とともにわかりやすく整理します。

肩関節は、ポジション・内外旋
によって張る組織が変わる。

・上方組織=1stポジション(下垂)
・下方組織  =2nd・3rdポジション(挙上)

さらに

・前方組織  =外旋
・後方組織  =内旋

つまり
張る組織が「どこで重なるか」で  
可動域制限の場所を推測できます。

肩関節包の張りはこう考える

肩関節包は、
張る側とゆるむ側が存在します。

ここで言葉を整理します。
・張る=緊張(tension)

はるそら

腕を下げるとどうなるか?

・肩先が張る
・関節包も上が張る

はるそら

腕を挙げるとどうなるか?

・脇が張る
・関節包も下が張る

はるそら

挙上と下垂の違いは

・下垂=上方が張る
・挙上=下方が張る

赤=緊張|青=緩む

関節包は「動いた方向の反対が張る」
・下垂→上方が張る
・挙上→下方が張る
・外旋→前方が張る
・内旋→後方が張る

肩関節は4つのエリアで考える

まずはこれだけ覚えます。

右上腕骨頭を取り外し、側面からみた状態

制限は
この4つのどこが張っているかで決まる。

ポジション+内旋or外旋

まなぶ

下垂と回旋が同時に起きたらどう考えるの?

はるそら

張る組織の重ななりをみつける

・下垂=上方組織
・挙上=下方組織

・外旋=前方組織
・内旋=後方組織

まなぶ

1stポジション(下垂)で外旋すると?

はるそら

下垂=上方組織が張る
   +
外旋=前方組織が張る

まなぶ

重なりを組み合わせると
前上方の組織が張るのか

1stポジション

1st+外旋

・1st(下垂)+外旋
=上方組織が張る+前方組織が張る
=前上方組織が張る

1st外旋→前上方が張る

主な制限因子
【筋】
①棘上筋(前部繊維)
②肩甲下筋(上部繊維)
【靭帯】
③烏口上腕靭帯
④上関節上腕靭帯
⑤中関節上腕靭帯
【関節包】
・前上方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

1st+内旋

・1st(下垂)+内旋
=上方組織が張る+後方組織が張る
=後上方組織が張る

1st内旋→後上方が張る

主な制限因子
【筋】
①棘上筋(後部繊維)
②棘下筋(上部繊維)
【関節包】
・後上方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

2ndポジション

2nd+外旋

・2nd(挙上)+外旋
=下方組織が張る+前方組織が張る
=前下方組織が張る

2nd外旋→前下方が張る

主な制限因子
【筋】
①肩甲下筋(下部繊維)
【靭帯】
②中関節上腕靭帯
③前下関節上腕靭帯
【関節包】
・前下方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

2nd+内旋

・2nd(挙上)+内旋
=下方組織が張る+後方組織が張る
=後下方組織が張る

2nd内旋→後下方が張る

主な制限因子
【筋】
①棘下筋(下部繊維)
②小円筋
【靭帯】
③後下関節上腕靭帯
【関節包】
・後下方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

3rdポジション

3rd+外旋

・3rd(挙上)+外旋
=下方組織が張る+前方組織が張る
=前下方組織が張る

3rd外旋→前下方が張る

主な制限因子
【筋】
①肩甲下筋(下部繊維)
【靭帯】
②中関節上腕靭帯
③前下関節上腕靭帯
【関節包】
・前下方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

3rd+内旋

・3rd(挙上)+内旋
=下方組織が張る+後方組織が張る
=後下方組織が張る

3rd内旋→後下方が張る

主な制限因子
【筋】
①棘下筋(下部繊維)
②小円筋
【靭帯】
③後下関節上腕靭帯
【関節包】
・後下方関節包

※関節包は広範囲のため番号なし

最重要まとめ

制限部位は「張る組織の重なり」で決まる

外旋内旋
1st 前上方後上方
2nd前下方後下方
3rd前下方後下方

臨床での意味

可動域制限を「この筋が硬い」で終わらせない。

見るべきは
・ どの方向で張っているか
・ どのエリアが重なっているか

これが整理できると、
評価が一気に立体的になります。
可動域制限→日常生活動作にリンクしてきます。

参考文献一覧
1)林典雄:肩関節拘縮の評価と運動療法.株式会社運動と医学の出版社、2013
2)林典雄:運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 上肢編.株式会社運動と医学の出版社、2017
3)工藤慎太郎:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学.医学書院、2012
4)日本リハビリテーション医学会:関節可動域表示ならびに測定法改訂について(2022年4月改定)