✔ 解決しましょう
理学療法士16年目
少しでもお役に立てたら幸いです
今回の記事は「座る=楽な姿勢」ではないという点がポイントです。
立っているときよりも、座っているときのほうが 背骨のクッション(椎間板)にかかる圧力が高いです。
さらに
・前かがみになる
・体幹の筋肉がサボる
椎間板への負担が一気に増え、痛みやしびれが出やすくなります。
椎間板って何?椎間板内圧とは?
✔ 椎間板とは?

・椎間板(髄核+繊維輪):背骨と背骨のあいだにあるクッション
・髄核(ずいかく):ゼリー
・線維輪(せんいりん):硬い殻
立つ ・座る ・歩く・ 物を持ち上げるといった動作をするとき、この椎間板が衝撃を受け止めて、背骨全体にかかる負担をうまく分散しています。
✔ 椎間板内圧とは?
・椎間板内圧:椎間板が「どれだけ押しつぶされているか」
・内圧が低い: 負担↓
・内圧が高い: 負担↑
この「内圧」は 年齢・姿勢によって大きく変わる のがポイントです。
椎間板は年齢とともに変性する
✔ 椎間板の変性とは?

①加齢により、椎間板の中の水分が少なくなる。
②弾力を失った繊維輪に亀裂が入る。
→痛みを感じる神経が内部に侵入する。
加齢は、肌だけではない!椎間板も潤いをなくします。
痛みを感じる環境ができた状態に、内圧がかかるとどうなるか?
座る姿勢別に比べる内圧の違い(立ち vs 座り vs 前傾)
✔ 姿勢による内圧の変化

・立つ:100
・まっすぐ座る:140(1.4倍)
・前かがみ座り:185(ほぼ2倍)
参考: Nachemson.A: The lumbar spine. An orthopaedic challenge. Spain 1:59-71, 1976
椎間板の負担:「立つ < 座る < 前かがみ座り」
「疲れた〜」と言って座った瞬間、負担は意外とかかっています。
ちなみに、あおむけで寝ている時は25(内圧)。
ここにさらに、
・長時間同じ姿勢が続く
・上半身を前に倒したままスマホ・PCを見る
・重い荷物を持った状態で前傾になる
椎間板への負担はさらに大きくなります。
なぜ「前かがみ座り」が特に危険なのか
「座って前かがみ」は、椎間板を“後ろ側に押し出す力”が最大になる姿勢です。
✔ 前かがみ座りは危険?

・背中が丸まる
・骨盤が後ろに倒れる
→丸まっている頂点の腰の椎間板は後ろへギューっと押される
前かがみで座る=椎間板の負担が強い
腰を楽にする除圧
ここからは、症状を和らげる“除圧(じょあつ)” を紹介します。
「椎間板にかかっている圧(内圧)を一時的に抜いてあげること」
✔ 椅子に座ったままできる除圧方法

1.姿勢よく椅子に座る
2.両手をグーの状態でつく
3.座面押し、腰を伸ばすイメージ
4.5秒間キープ
※痛みが強い場合や、これで悪化する場合は無理せず中止してください。
グーと座面の間に丸めたタオルを入れると除圧しやすいです。
電車で立っている方は、つり革を下に引くと、腰を伸ばせます。
正しい座り方
骨盤を立てていい姿勢で座ることが目標です。
✔ 骨盤を立てて座る
・座った状態で片方ずつお尻上げを行う(10回)
・お尻の下に硬い骨(座骨)感じる
・左右の座骨を意識して座る
座骨を意識して座ると自然と骨盤が立ちます👍
休憩・ストレッチ・習慣化 – 日常で守るべきポイント
どんなに良い座り方でも、「座りっぱなし」そのものが大きな負担 になります。
・1時間に1回は必ず立つ
・その場で立って、足踏みをする
・トイレや水分補給に立つ習慣をつくる
こうした「小さな動き」が、椎間板・筋肉・血流にとっては大きな助けになります。
まとめ:座る時間をコントロールして腰を守ろう。
・座る姿勢は、 椎間板の内圧が高い
・「前かがみ座り」=椎間板の負担が最も大きい
・腰痛や坐骨神経痛がある人は、座り方と姿勢の意識が大切
・痛みが出たときは、除圧でリセット
・正しい座り方+小まめな休憩を習慣化
「座る時間をゼロにする」ことは、現実的には難しいですよね。
だからこそ、どう座るか+どれだけ座り続けるかをコントロールすることが、大事。
今日からできることを、ひとつだけでも試してみてください。
あなたの腰が、今より少しでもラクになりますように。

