ついつい、前屈みになっていませんか?肩の力みが肩こりと呼吸を妨げる
デスクワークやスマートフォン操作が続くと、無意識に肩へ力が入り、肩こりや首の重さを感じやすくなります。
さらに、肩まわりが固まると胸郭(胸のかご状の部分)の動きが制限され、呼吸まで浅くなることが分かっています。
このようなときに有効なのが「肩回し」。ただしポイントは、鎖骨を意識して動かすことです。
なぜ鎖骨を意識すると良いのか?
肩甲骨は体幹とは直接つながっていません。唯一の連結部が「鎖骨」であり、鎖骨を介して胸骨(胸の真ん中の骨)とつながっています。
鎖骨が動く → それに伴って肩甲骨が動く 。肩甲骨が動く → 周囲の肩こり筋肉(僧帽筋上部・肩甲挙筋など)が緩む
肩甲骨そのものは背中側にあり、自覚しにくいのが難点です。
しかし、鎖骨は触って動きを確認できます。肩甲骨の動きを間接的に感じるために必要な骨となります。
鎖骨を意識した肩回しの方法
1. 鎖骨(胸骨〜肩先)を触れて確認する
首の下、胸の上部に左右に伸びている細長い骨が鎖骨です。 指さきで軽く触れて、動きを感じながら行います。鏡の前で上半身裸になり、下の図②の動きを両肩で行うと、はっきり形が分かります。鎖骨と鎖骨の間に窪みがあります。それが、胸骨(鎖骨と体幹が接続する部分です)です。胸骨を支点にして肩先を動かすことが、鎖骨を動かすことになります。
2. ゆっくり片方ずつ肩を回す(後ろ回し・前回し各5回)
①側面から見て肩先をひし形に動かすことがポイントです。
②肩先をあごに向かって動かします。
③肩先を耳に向かって動かします。
④肘を引きながら、肩先を胸骨から遠ざけるように動かします。


鎖骨を意識した肩回しの効果
- 反回抑制:ぎゅっと力を入れることで、反射により筋肉が緩みます
- 筋ポンプ作用:繰り返しの収縮と弛緩で血流が良くなり、自然と筋肉が和らぎます。
意識的に大きく、繰り返して動かすと筋肉は緩みます。鎖骨を動かすと、鎖骨の下にある血液やリンパの流れが促進される。 鎖骨が動くことで胸郭上部も広がり、自然と呼吸が深まりやすくなる。 準備体操としての安全性 。いきなり大きなストレッチを行うよりも、肩回しは関節や筋肉を温める準備に最適。
注意点
痛みが出る場合は中止する 。反動をつけず、ゆっくりと行う 。長時間デスクワークをする方は、1〜2時間に一度意識的に回すだけでも効果的。
まとめ|鎖骨を意識した肩回しで肩こりを和らげる
肩甲骨を直接意識するのは難しいですが、鎖骨(胸骨~肩先)を触れて動かすことで自然に肩甲骨も動き、肩まわりの筋肉が緩みます。
意識的にする肩回しは、血流改善・呼吸の深まりといった効果が期待できます。
まずは一日の始まりや、仕事の合間に「鎖骨を意識した肩回し」を取り入れてみましょう。
最後に
日々の忙しさの中で、知らず知らず肩に力が入ってしまうのは自然なことです。
「ちょっと力を抜こう」その小さな意識が、呼吸を整え、気持ちを軽くしてくれます。
忙しく生活を送ると、ペースが上がってしまいます。体を緩めて、呼吸を整えて、自分のペースを守ってあげて下さい。