― Apprehension test と Sulcus sign ―
肩関節不安定性とは
肩関節不安定性とは、
上腕骨頭が関節窩に安定して保持されず、
過度に移動してしまう状態を指します。
肩関節は可動性が非常に大きい反面、
骨性の安定性が低く、
軟部組織(関節包・靱帯・筋)に依存します。
不安定性は方向によって分類されます。
- 前方不安定性
- 後方不安定性
- 下方不安定性
- 多方向性不安定性
本記事では、臨床で遭遇頻度の高い
- 前方不安定性
- 下方不安定性
を評価する代表的なテストを解説します。
日常生活でみられる症状
肩関節不安定性があると、
特定の動作で「抜けそうな感覚」が出ます。
前方不安定性では、
- 高い所の物を取る
- ボールを投げる
- 服を着るときに腕を後ろへ回す
といった動作で症状が出やすくなります。
下方不安定性では、
- 重い荷物を持つ
- 腕を下げていると疲れる
などがみられることがあります。
Apprehension test(前方不安定性)

- 肘関節を90°屈曲させる
- 肩関節を90°外転させる
- 肩関節を外旋させる
- 骨頭を後方から前方へ押し出す
✓陽性
- 不安感(抜けそうな感覚)
Sulcus sign(下方不安定性)

- 腕を自然下垂位にする
- 検者が上腕を下方へ牽引する
✓陽性
- 肩峰下に溝(Sulcus)が出現
これは上腕骨頭が下方へ移動し、
関節包の弛緩を示唆します。
多方向性不安定性でも陽性になることがあります。
理解を深めるポイント

なんで外旋すると前方不安定性が分かるんだ?

肩を挙上した状態で外旋すると前方の関節包や靱帯が一番伸ばされるんだ

前方がゆるい人は、その状態で骨頭が前へズレやすくなる。関節が外れそうになるのか。

Apprehension=不安・恐怖って意味だからね
評価のまとめ
・前方不安定性 → Apprehension test
・ 下方不安定性 → Sulcus sign
・肩関節の不安定性評価では、
「どの方向に不安定か」を整理することが重要です。
・問診や日常生活動作と組み合わせることで、
より正確な評価につながります。
