心と体のリセット方法

我慢しやすい人の〝大丈夫〟は大丈夫じゃない。入浴で呼吸と心を取り戻す話

ゆっくり入浴していますか?

忙しくて、シャワーだけで済ませていませんか?

あの頃の自分に伝えたい。

メンタルの不調に悩んでいた時、入浴の習慣はなかった。けれど、今は入浴を大切にするようになり、心も体も前向きになれた。この記事では、あの頃の自分と同じように悩んでいる人に、入浴の力を伝えたい。私は 理学療法士として16年目。体の仕組みや心とのつながりを学んできました。今回は「体と心のバランスを崩した、自分だからこそ伝えたいこと」をまとめます。

上司から言われた一言

「大丈夫です!」

職場でよく口にしていた言葉です。でもある時、上司に言われました。「大丈夫って言葉は、本当に大丈夫じゃない時に使うことが多いよ」 と。その言葉が胸に刺さったのを今でも覚えています。

呼吸が浅くなるのはストレスサイン

ストレスがかかると、体は「戦うか逃げるか」の反応を起こします。これは交感神経が優位になるためで、呼吸が自然と浅く・速くなるのです。自分の場合、狭い職場で苦手な人と二人きり。嫌な空気に耐えるために、自分を抑えて「順応」していました。でもそれは、交感神経をずっと高める習慣になっていたのです。結果として、動作が落ち着かない 呼吸が早い 体が休まらないそんな状態が「普通」になっていました。「大丈夫です」という言葉は、心と体にフタをしてしまう危険なサインだったのです。

入浴習慣のなかった自分へ

正直に言うと、当時はお湯に浸かる習慣がありませんでした。その後、呼吸の乱れから過換気症候群 → メンタルダウンへ。今思えば、体も心も休まる時間を作れていなかったのです。今は、毎日のように入浴しています。お風呂に入ることで、呼吸も心も落ち着き、前向きになれるようになりました。だから、あの頃の自分に伝えたい。そして、今まさに同じように「呼吸が浅くてつらい」と感じている人にも、届けたいのです。

炭酸入浴が心と体をリラックスさせる理由

38℃くらいのぬるめのお湯に、炭酸入浴剤を入れてみてください。炭酸ガスが皮膚から吸収されると、体は血液中の二酸化炭素が増えたと感じます。すると、酸素を効率よく運ぼうとして血管が自然に広がるのです。それはまるで、渋滞していた高速道路が一気にスムーズに流れ出すようなイメージ。この血管拡張の作用が、副交感神経を優位に切り替えるスイッチになります。

副交感神経が優位になると:

  • 心拍数が落ち着く
  • 血圧が下がる
  • 呼吸が深くなる

つまり、炭酸入浴は「血行を良くするだけ」ではなく、心と体をおやすみモードに切り替える力を持っているのです。

寒い季節に続けやすくする工夫

これからの季節は、寒さで湯冷めしやすいもの。そんな時は、湯上がりの直前に追い焚きをしてから出ると冷えにくいですよ。

小さな工夫ですが、続けやすくなるポイント。

まとめ

「大丈夫」は危険なサインかもしれない 呼吸が浅くなるのは、ストレスで交感神経が優位になっている証拠 炭酸入浴は、副交感神経を優位にして呼吸を深めるサポートになる 38℃のぬるめのお湯 × 炭酸入浴剤 × 追い焚きで、優しく心身を休められる自分が前に進めるようになったのは、入浴の力も大きかったです。あの頃の自分に伝えたいことを、同じように悩んでいるあなたへ。「浅い呼吸をリセットして、自分を休めてあげてください」